★島ことばの散歩道24

=横山晶子

◎自由研究の勧め

 暑ーい暑い夏がやってきた。夏休みといえば自由研究。今回は、島ことばで取り組める自由研究を紹介する。研究は①本やインターネットで調べる(既に知られていることを整理)②分からないことを自分で調べる(新しい発見をする)③見つけたことをまとめる(新しい発見を世界に伝える)―の三つのステップが大切。リポートにまとめるときには、「どんな本で読んだことなのか」「誰から聞いたことなのか」という情報源を必ず記すようにしよう。

■島ことばを使った遊び

 島ことばでクイズやかるた、しりとりを作ってみよう。おじいちゃん・おばあちゃんに単語を教えてもらったり、身近に聞ける人がいない人は、地域の方が書いた方言集や、インターネット上のデータベースを活用してみよう。沖永良部島・上平川集落の丸山仁美さんの家族は、島の方言集を元に、体の名前を方言であてるクイズを作った。

 国立国語研究所の「危機言語データベース」には、各地の基礎語彙が音声付きで収録されている。かるたやしりとりを作った人は、島ことばの「音の体系」の特徴にも気が付くはず。例えば「ひらがなでは書けない」音があったり、語の始まりに絶対に来ない音があったり、「ん」から始まる単語があったり…。そんな発見をまとめたら、立派な方言研究の完成である。

 ■島ことばに訳そう

 おじいちゃん・おばあちゃんに手伝ってもらいながら、よく知っている歌や昔話を島ことばに訳してみよう。例えば「アナと雪の女王」は、Youtubeに大阪弁バージョンから、石垣の宮良方言バージョンまで様々な方言版が公開されている。元の話や唄を翻訳するだけではなくて、地域色にアレンジするのも面白い。沖永良部島・永嶺集落の永野敏樹さんの家族は「桃太郎」をアレンジした「バンシロタロー(グヮバ太郎)」という寸劇を作った。

 研究としてまとめるには「分かち書き」をして、一つ一つの単語を分析するのがお勧めだ。例えば「じゃーじゃがうでぃういたん」は沖永良部島・上平川方言で「おじいさんがカブを植えた」という意味だが、「じゃーじゃが うでぃ ういたん」「おじいさんが カブを 植えた」と分かち書きすると、一つ一つの単語の対応が分かってくる。短いお話でも、こうやって島ことばの文法や単語を整理してみると、ちょっとした語彙集が出来るのだ。

 ■島ことばで調べよう

 最後にお勧めしたいのは、方言を使って島にしかない文化を調べる活動だ。例えば、島には昔から伝わるちょっと変わった話があるかもしれない。そんな話を、もしおじいちゃん・おばあちゃんから直接聞くことができたら大発見だ。また、言い伝えや昔の遊びを聞くのも面白い。沖永良部島・国頭集落の大栄勝吾さんご家族は「ハジフチヤマダ(赤とんぼ)が多い年は台風が多い」というおじいちゃんの言葉から、さまざまなトンボの種類の方言名や、トンボを使った昔の遊びについて聞き取った。実際、その年(2018年)は年間13もの台風が来たので、言い伝えは今を生きる知恵につながることもある。

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 なかなか遠出が出来ない夏ですが、Stay home(ステイホーム)ならぬStay island(ステイアイランド)で、安全・安心に島の魅力を再発見する夏になることを祈ります。

 ▽写真説明

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「夏休みのしまむに研究」で作った方言クイズを披露する仁美さんと陽嘩さん=2018年2月25日撮影

えらぶむに ©2020. Photo: ARISA KASAI